『男子校パラダイス』
5[【女装】](2/168)
文化祭の話。燃える?萌える?
 そう司は未来のことを気使い笑顔で言うが、未来の返事はいつもに増して暗く生返事にも聞こえた。

 司は未来が洗面所に行っている間に今日の時間割を見ながら、教科書を鞄に入れる。

「あ!今日は一時間目から純ちゃんの授業やん…」

 テンションを上げていいものなのか上げてはいけない所なのか司は悩む所だ。

 特に未来のことではなく、自分のことでだ。

 一昨日、あんなことがあって、昨日、夕方別れてから司は純一とは会っていない。そして、恋人同士になってからの初めて純一の授業の日。しかも、一時間目から。

「とりあえず、頭を切り替えなきゃアカンな…」

 そう司は気合いを入れると頬を二回程叩く。

 すると、洗面所から戻って来た未来が司のことを見上げ、

「何、朝から気合い入れてんの?」
「え?へ?ほら、今日は一時間目から、純ちゃ…じゃなくて、速水センセの授業やろ?せやから、名前の言い方、間違われんようにせなアカンなぁ〜って思うてな…」
「そっか〜司君、速水先生と付き合ってから初めての授業だもんね〜」

 その未来の言葉に司は顔を赤くする。自分で言うんなら、何とか平常心を保つことが出来たが、他人に改めて言われると恥ずかしかったのだろう。

「ま、まぁな…」
「速水先生のことだから〜食堂から一緒かもしれないよ〜」

 そう未来は何だか司をからかうのが楽しいのか、先程とは違い、笑顔で司に言うのだ。

「…え?」
「だから、速水先生のことだから〜食堂から一緒かもよ〜って…」

 二度も同じこと言わなくても俺の耳には聞こえてます。とでも言いたかったが、何だか判らないものが司を覆う。
 恥ずかしいような、どうしたらいいのであろうか、純一の顔をまともに見ていられるかとか、平常心でいられるか等。

「用意出来た!司君行くよ!」

 未来はそう言うとさっきまでの暗いテンションはどこにやらとでも言うのか、未来は司の手首を取ると、部屋を出る。

 寮の廊下はまだ生徒達がガヤガヤと騒ぎながら食堂へと向かっていた。

 その中を未来は何故だかスキップをしながら通り抜けて行く。だが、司は朝からそんな気分にはなれない。ただ、未来のスキップに引っ張られた状態で食堂に向かっている。

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